■概要
静岡県では、コールセンター支援事業を実施するとともに、その他(パンフレット作成・PR支援)において、パンフレットの作成・配布、各地区の民生委員などを対象として、訪問看護に関する説明会を実施した。
■背景と課題
静岡県では、在宅医療に取り組む診療所の割合が低下するなど、在宅医療の体制整備が進んでいない現状がある。また、訪問看護ステーション数についても減少している状況であり、訪問看護サービスの提供回数も横ばいとなっている。訪問看護師の確保も難しい状況であった。
そのため、訪問看護推進協議会からも訪問看護師の確保等もっと他の事業を行う必要性があるとの声があがり、訪問看護支援事業を実施することとなった。
■事業の概要
・コールセンター支援事業
キーステーションを1ヶ所決めて、キーステーションから当番のステーション管理者へ電話を転送する体制で、住民からの電話相談を受け付けた。チラシ、タウン誌、ラジオ番組による周知を行った。
>>詳細
・その他(パンフレット作成・PR支援)
パンフレットの作成、配布を行った。各地区の民生委員などを対象として、訪問看護に関する説明会を実施した。
>>詳細
・訪問看護推進協議会メンバーの構成
訪問看護推進協議会のメンバー構成は以下の通りである。
■訪問看護推進協議会メンバー
1 自治体関係者 | 4人 |
2 都道府県等看護協会関係者 | 3人 |
3 都道府県等医師会関係者 | 4人 |
4 訪問看護事業所管理者 | 3人 |
5 学識経験者 | 0人 |
6 その他(介護支援専門員代表者) | 2人 |
■事業の効果
コールセンター事業では、チラシ配布当日は相談件数が増えるが、その他の日は数件という状況であり、実際に訪問につながったのは5件である。しかし、訪問に行くと療養者や家族がチラシを持っており、住民は認知していることがわかる。
マップを配布したことで地域住民や民生委員、地域の医院から訪問看護に対する相談や実施できるサービス等の問い合わせがあった。また、マップを見たケアマネジャーが直接ステーションに来てケースの対応について相談をすることもあった。自分たちがアクションを起こすことで、関係職種と関係性が構築されていることを実感しているところである。また、ステーション同士も患者の紹介をするなど、ネットワークの拡大が起こっている。ステーション同士の情報交換がなされ、お互いの得意な分野等が見えて連携が強化されたことも効果である。
さらに、開設後間もないステーション管理者が電話対応に困った場合、キーステーションに戻して対応についての相談をする仕組みもできたことから、電話相談の利用者へのよりよい対応にもつながっている。
■終了後の取り組み
コールセンターについては、住民に対する認知度の向上やステーション同士の連携に大きく寄与しているため、キーステーションの負担は大きいが継続を検討していく予定である。また、シンポジウムの開催やパンフレットを用いたPRなどが必要と考えている。
■地図